本日、当社にて植付け休祭ならびに末社・市杵嶋姫社祭を無事に斎行いたしました。
地域の田植えが終わり、苗の健やかな成長と秋の豊かな実りを願い、湯立神事をはじめとする祈りの儀が、清らかな気持ちのもと滞りなく執り行われました。
また、今年米寿を迎えられた方々による御田植の儀も併せて執り行われ、尊いお力をいただきながら、地域とともに稔りの祈りを捧げる、あたたかな神事となりました。
お米への想いと「斎庭稲穂の神勅(ゆにわいなほのしんちょく)」
いま、全国的にお米に対する関心が高まっています。
食の安全や地元農業の尊さが見直される中、改めて「お米」の存在が、私たちの暮らしと心の根幹にあることを実感する日々です。
日本神話においても、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に授けられたとされる神勅のひとつに、
「斎庭(ゆにわ)の稲穂をもって、以て皇孫(すめみま)に授け給う」
というお言葉があります。
これは、天照大御神が稲穂を神聖なる恵みとして地上に託されたことを意味し、お米は神々の心が宿る特別な実りであると伝えられています。
植付け休祭は、その神話の心に倣い、地域の人々とともに「稲の命」を大切にする祈りのひとときです。
現代に生きる私たちにとっても、お米をいただくという日々の中に、感謝と敬意を忘れない気持ちが何より大切ではないでしょうか。
本日ご参列・ご奉納くださった皆さまに心より御礼申し上げます。
これから始まる田の季節、どうか天候に恵まれ、豊かな実りの秋が訪れますように。