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萱野神社 神輿渡御の見どころ 警護編

平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。

 

各地でお祭りが行われており、賑やかになってきました。

当社でも準備を進めておりますが、今までとは異なることが多く、試行錯誤しながら実行委員さんのご意見をお聞きしております。

 

今年の神輿渡御では、変更点が多くあるようです。

しかし、今までと大きく変わらないのが、神輿の警護役を務める方々です。

当社の祭の特徴でもありますのでご紹介します。

 

お祭り当日は、神輿の警護に2名の方がおられ、「兄警護」、「弟警護」と呼び、大萱の地に残された伝統的な風習で、神輿渡御に欠かせない存在です。

 

数年前までは、35歳になる年が弟警護、36歳になる年が兄警護となっておりました。

 

この警護の選ばれ方も独特で、神輿の担ぎ手である「力者」と呼ばれる若者達が、全員で5月2日の夜に警護を引き受けてもらうために自宅にお願いにあがります。

まずは、兄警護のお願いに自宅に伺い、家の玄関で数十人もの若者が「オッサン タノンマスワ」とお願いし続け、受けてもらうのです。

(今年はこの伝統はないと思われます)

 

兄警護が受けてくださると、次は弟警護のご自宅に伺い、同じようにお願いをし、日をまたぐことも多々ありました。

 

警護の依頼があったお宅には、ご家族、親戚、同級生の鍋仲間と呼ぶ方々と相談し、この日は借り受けという形で受けていただきます。

実際にお受けするのはお祭り当日になります。

 

両警護はお祭り当日の早朝に、区長宅にて「竹渡しの儀」があり、神輿渡御の際に持つ警護竹をいただかれます。

※近年は南大萱会館で行われいましたが、今年は4日の午前中に当社 社務所で執り行う予定です。

 

両警護は自宅に戻り、警護竹を床の間に安置し、神輿の担ぎ手の力者が迎えに来るのを待ちます。

 

力者は弟警護から迎えに行き、そこではいくつかの注意事項が申し渡され、最後に「雨が降っても槍が降っても最後まで神輿をかきとうす(担ぎ続ける)こと」と伝え、了解が得られれば、本受けとなり装束を整えます。

近年では、警護の装束を付けられる方も少なくなってきています。

 

兄警護も同様に行われ、向かうは区長宅。

町内を練り歩く時は、両警護が先頭に立ち、列を組んで力者達の「木やり節」にて区長宅に向かいます。

 

区長宅では、お祝いの言葉と神輿渡御に関する諸注意があり「両警護の指示にしたがうこと」と一切の権限を両警護に任せる旨が伝えられます。

 

申し渡しが終わると、一同に食事が振舞われ、小休憩ののち、再び整列し一同神社に向かいます。

 

今年の神社到着は9時30分になります。

神輿が拝殿から出る「拝殿出し」は見ものですので、ぜひ足をお運びください。

 

神社内では神事も行われるのですが、よくどっちが兄警護?と聞かれることがあります。

 

装束はほぼ同じですので、わかりにくいのですが、両警護の見極め方を載せておきます。

・兄警護は竹を右手で持ち、竹を覆うようしてに持っています。

・弟警護は竹を左手で持ち、竹を受けるようにして持っています。

 

実はこの警護竹もおもしろく、見た目ではほぼわかりませんが

・兄警護の竹は、太くて長い

・弟警護の竹は、兄警護の竹に比べて細くて短い

 

なぜこのようになるかと言うと、両警護が持つ竹は1本の竹から作成されています。

竹の株元に近い方から兄警護の竹の寸法を取り、竹は真っすぐではなく上は細くなるので、弟警護の竹は兄の竹より細くなります。

 

血の繋がりこそないですが、1本の竹から兄と弟で力を合わせ、神様、先祖様に町内をご覧頂くために

渡御を続けてこられた先人達の知恵と配慮、想いに敬意を表します。

 

コロナの影響や時代の変化もあり、縮小が必要とされる時となりましたが、全てのことに意味があることを知り、変化に対応し、進化発展を遂げたい想いであります。

 

ぜひ5月5日(金)は萱野神社の神輿渡御にお越しください。